
スタッフたちの経験が売り場の新企画に
今春の社内ミーティングで「デザインがイイと思って買ったのに、なかなか使いだせないノートがある」という話題が出ました。
実はスタッフの誰もが同じような経験があったことがわかり、「ノートの使いみちを提案する売り場をつくったら面白そう」と盛り上がりました。
そうした話から生まれた売り場企画が「たのしみノートをつくろう」です。
たのしみノートとは、「自分が好きと感じるものをざっくりとつめこんだノート」のこと。
※杉浦さやかさん著『たのしみノートのつくりかた』を参考にさせていただきました。
引用元:https://www.shodensha.co.jp/sal/
ざっくりとつめこむ・・・つまり自分が好きと感じる写真やチケット、子どもの絵、情報などなんでもOK。たーくさん集めて、ノートに貼ったり、絵を描いたり、シールやスタンプでデコしたり、自分らしくビジュアル化させていく。
そんな「たのしみノート」をスタッフがそれぞれつくろう! となったのですが、私はすぐにつくりだせず「うーん、困った」と悩んでしまいました。

好きなことがわからない
私はアラフィフで、推し活をするほど熱中している有名人もおらず、カフェ巡りは好きだけれど趣味と呼べるほどたくさんお店に行っているわけでもない。「最近、好きなものって何だろう?」とぐるぐる思考がとまらない状況に。
そんな中、思い出したのが若いころに海外旅行を経験したこと。
新しい価値観に触れたり、言葉がわからなくてもジェスチャーで伝えられたりしたときの懐かしい気持ちがよみがえり、心がちょっとだけ潤いました。
もし再び海外に行くことができたら、そこでやってみたいことを表現する「行きたい場所ノート」であればつくれるかもしれない。
闇の中に一筋の光が差し込んだようで、「どのノートを使ってどんなふうに表現しようかな」とワクワクした気持ちに変わっていきました。
コラージュに初挑戦
偶然にも私はトラベラーズノート愛用歴が3年。「行きたい場所ノート」をつくるというテーマとイメージがぴったり合います。
さっそく、なかなか使いだせなかった水彩紙リフィルを引っ張り出しました。
でも鉛筆や水彩ペンで絵を描く使い方しか思いつかず、ハードルが高そうとあきらめかけたとき、同封の説明書を改めて読んでみると「写真やチケットのコラージュにもおすすめ」と記されていました。
コラージュはInstagramなどで見たことはあっても、やったことがなかったのでもう少し詳しく調べてみました。
「既存の素材を切り貼りして、組み合わせて作品をつくるので、絵を描くよりも挑戦しやすい」という情報を見つけたことが後押しになり、
私はコラージュに挑戦することにしました。
「行きたい場所ノート」の場合、実際に旅行をしていないので、写真や航空券などのアイテムが手元に何もありません。
アイテムはインターネットで集めて、プリントアウトして切り貼りすれば、何とかつくれそうと考え、必要な道具を集めました。

<用意したもの>
- トラベラーズノート水彩紙リフィル
- ノートを開いたままにキープするクリップ
- テープのり
- はさみ
- デザインカッター
- カッターマット
- クリアフォルダ
- スケッチブック
- 色画用紙
私が行きたい場所として最初に思い浮かんだのが、スペイン。
二十数年前にフラメンコを習っていたことがあったので、「いつか行けたら」と思っていました。
フラメンコを鑑賞するためにはどこがいいのかな・・・と情報を探した結果、
イスラムの異国情緒あふれる文化を体感できるアルハンブラ宮殿を巡り、夜は洞窟に移動してパエリアを食べながらフラメンコを鑑賞して、
一緒に踊ってみたいというイメージができました。
それをコラージュにしたのがこちら。

次に思い浮かんだのが、カナダとアメリカを分ける国境にあるナイアガラの滝。
十数年前に子育てと仕事で疲れていた時期に、「マイナスイオンを浴びたい~でもどうせならたくさんの量を浴びれるところ・・・そうだナイアガラの滝!」と安直な気持ちでいつか行きたいなと思っていました。
ボートでナイアガラの滝に接近し、マイナスイオンと水しぶきをたっぷり浴びて、「わーっ」と大声で叫んだらどんなに楽しいだろうな。
それをコラージュにしたのがこちら。

最後に思い浮かんだのが、エジプト。
実は子どものときから行ってみたいとずっと思っていたところで、海外に興味を持つようになった原点の場所でもあるんです。
きっかけはTV『世界ふしぎ発見!』のエジプト特集を見たことでした。(若い世代の人は知らないかもですね)
ラクダにのってピラミッドなどの歴史的建造物を眺めたり、ツタンカーメンの墓などの遺跡を探検できたら楽しそう。
そんな思いをコラージュにしたのがこちら。

そして、行きたい場所が一目でわかる「ワールドマップ」をつくり、目次のような位置づけとしました。
もし今後、行きたい場所が思いついたら、4と書いた黄色のシールをマップに貼って、新たなコラージュをしていくのも楽しそう。
こうして、行きたい場所ノートが完成しました。
今回、ノートづくりをしたことで、すっかり忘れてかけていた「好きと感じていること」や「やってみたかったこと」を思い出すことができました。

没頭する楽しさ
3か国のコラージュをしてみて難しかったことは、切り抜いたアイテムの配置です。
私の場合はスケッチブックに下絵を描いて、全体のイメージをふくらませました。
おおまかな構図が決まったら、切り抜いたアイテムをリフィルにのせます。

「やっぱりこっちに動かした方がイイかな」と自問自答しているうちに別のアイデアが生まれ、完成したときは下絵と全く違う配置になることもありましたが、正解がないところもコラージュの醍醐味ではないかと感じています。



スペインのコラージュがおわったときに「次は見開きページを大胆につかってデザインを考えよう」「国ごとにテーマカラーを決めたら面白いかもしれない」などいろいろなアイデアが生まれ、制作意欲がどんどんふくらんでいくことがとても楽しかったです。

完成したサンプルは商品と一緒に売り場へディスプレイしています。
皆さんのノートづくりの参考にしてもらえたらうれしいです。(スタッフS)
![]() | スタッフS 入社4年目。 トラベラーズノートとの出合いで手書きの楽しさに目覚める。 デスク回りがちらからないよう、 ノートやファイルの使い分けを実践中。 |